普通貨物車（いわゆる商用車）は、事業や物流の現場で欠かせない存在です。一方で、貨物車特有の税金や保険の制度、メンテナンス費用などを正確に理解することが大切です。この記事では、普通貨物車の維持費について詳しく解説し、所有する際のポイントをわかりやすくお伝えします。
普通貨物車にかかる税金
普通貨物車には、自動車税と自動車重量税が課されますが、乗用車とは税額が異なります。用途や車両総重量によって税額が決まるため、ここで詳しく見ていきましょう。
① 自動車税（普通貨物車）
普通貨物車の自動車税は、**車両総重量（車両重量＋最大積載量）**によって課税されます。以下の表に基づいて税額を確認しましょう。
【乗車定員が3人以下】
| 車両総重量 | 年額（自家用） | 年額（営業用） |
|---|---|---|
| 1.0トン以下 | 8,000円 | 6,500円 |
| 1.0～2.0トン | 11,500円 | 9,000円 |
| 2.0～3.0トン | 16,000円 | 12,000円 |
| 3.0～4.0トン | 20,500円 | 15,000円 |
| 4.0～5.0トン | 25,500円 | 18,500円 |
| 5.0～6.0トン | 30,000円 | 22,000円 |
| 6.0～7.0トン | 35,000円 | 25,500円 |
| 7.0～8.0トン | 40,500円 | 29,500円 |
【乗車定員が4人以上】
| 車両総重量 | 年額（自家用） | 年額（営業用） |
|---|---|---|
| 1トン以下・1L以下 | 13,200円 | 10,200円 |
| 1トン以下・1L〜1.5L以下 | 14,300円 | 11,200円 |
| 1トン以下・1.5L超 | 16,000円 | 12,800円 |
| 1〜2トン以下・1L以下 | 16,700円 | 12,700円 |
| 1〜2トン以下・1L〜1.5L以下 | 17,800円 | 13,700円 |
| 1〜2トン以下・1.5L超 | 19,500円 | 15,300円 |
| 2〜3トン以下・1L以下 | 21,200円 | 15,700円 |
| 2〜3トン以下・1L〜1.5L以下 | 22,300円 | 16,700円 |
| 2〜3トン以下・1.5L超 | 24,000円 | 18,300円 |
② 自動車重量税
貨物車の重量税は、車検時に支払いが必要で、車両重量と車検期間に基づいて決まります。
| 車両重量 | 継続検査時、年額（自家用） エコカー外、車齢13年未満 | 継続検査時、年額（営業用） エコカー外、軽減なし |
|---|---|---|
| 1.0トン以下 | 3,300円 | 2,600円 |
| 1.0～2.0トン | 6,600円 | 5,200円 |
| 2.0～2.5トン | 9,900円 | 7,800円 |
| 2.5～3.0トン | 12,300円 | 7,800円 |
| 3.0～4.0トン | 16,400円 | 10,400円 |
| 4.0～5.0トン | 20,500円 | 13,000円 |
| 5.0～6.0トン | 24,600円 | 15,600円 |
| 6.0～7.0トン | 28,700円 | 18,200円 |
| 7.0～8.0トン | 32,800円 | 20,800円 |
ポイント：営業用貨物車やエコカーの場合、税金が軽減されることがあります。
自動車保険
普通貨物車には、自賠責保険と任意保険が必要です。貨物車は業務用として使用されることが多いため、任意保険料が普通乗用車より高くなる傾向があります。
① 自賠責保険
貨物車の自賠責保険料は、車検期間によって異なります。
| 用途 | 1年分（継続12か月） | 2年分（新規25か月） |
|---|---|---|
| 自家用 小型貨物車 | 12,850円 | 20,950円 |
| 営業用 小型貨物車 | 15,830円 | 27,090円 |
② 任意保険
貨物車の任意保険料は、使用目的や走行距離、車両の種類によって異なります。
年間の平均保険料：
- 自家用貨物車：60,000円～100,000円程度
- 営業用貨物車：100,000円～200,000円程度
燃料費
貨物車の燃料費は、積載量やエンジン仕様に影響されるため、普通乗用車よりも高くなる場合があります。
| 燃費性能（例） | ガソリン価格150円/L | 年間10,000km走行の場合の燃料費 |
|---|---|---|
| 8km/L | 150円 × 1,250L | 187,500円 |
| 10km/L | 150円 × 1,000L | 150,000円 |
| 12km/L | 150円 × 833L | 124,950円 |
ディーゼル車の場合は燃料費がさらに安くなることがあります。
車検とメンテナンス費用
① 車検費用
貨物車の車検は1年ごとに受ける必要があります。車両のサイズや状態によって費用は変動しますが、以下が一般的な目安です。
| 項目 | 自家用の費用目安 | 営業用の費用目安 |
|---|---|---|
| 自賠責保険 | 約12,850円 | 約15,830円 |
| 重量税 ※1トン以下の場合 | 約3,300円 | 約2,600円 |
| 点検整備費用 | 約30,000～80,000円 | 約50,000～100,000円 |
| 合計 | 約46,150～96,150円 | 約68,430～108,430円 |
② メンテナンス費用
貨物車は業務用に使われる場合、走行距離が多いため、メンテナンス頻度が高くなります。
| 項目 | 頻度 | 費用目安 |
|---|---|---|
| オイル交換 | 3か月～半年ごと | 5,000～15,000円 |
| タイヤ交換 | 3～5年ごと | 40,000～120,000円（4本） |
| ブレーキパッド交換 | 2～3年ごと | 20,000～50,000円 |
駐車場代
貨物車の駐車場代は、車両のサイズや地域によって異なります。普通乗用車用の駐車場に比べると高めになる場合が多いです。
- 都市部（例：東京23区）：25,000円～60,000円/月
- 郊外エリア：10,000円～30,000円/月
年間駐車場代：120,000円～720,000円（地域に依存）。
合計費用シミュレーション
以下は、自家用貨物車（乗車定員3人以下、総重量1.0トン以下）を所有した場合の年間維持費の目安です。
| 項目 | 年間費用目安 |
|---|---|
| 自動車税 ※乗車定員3人以下、1トン以下 | 8,000円 |
| 自賠責保険 | 12,850円 |
| 任意保険 | 80,000円 |
| 燃料費 | 150,000円 |
| 車検費用 | 80,000円 |
| メンテナンス | 30,000円 |
| 駐車場代 | 240,000円（20,000円/月） |
| 合計 | 600,850円 |
維持費を抑えるためのポイント
- 低燃費の貨物車を選ぶ：燃費性能の高い車両やディーゼル車を選ぶことで、燃料費を大幅に削減できます。
- 保険内容の最適化：複数の保険会社を比較し、業務内容に合った補償を選びましょう。
- メンテナンスを怠らない：定期的な整備を行い、故障による高額修理費用を防ぎます。
- 駐車場の見直し：貨物車対応の駐車場を検討し、コストパフォーマンスの良い場所を選ぶようにしましょう。また、営業用貨物車の場合は事業所の敷地内を活用することで駐車場代を節約することも可能です。
普通貨物車を所有するメリットを最大限活かそう
普通貨物車は、事業や物流を支える大切な道具であり、その維持費は事業の収益にも大きな影響を与えます。この記事で解説した維持費のポイントを踏まえて、計画的な維持管理を行いましょう。さらに、用途に応じて低燃費モデルや維持費の安い車両を選ぶことで、経費削減につなげることができます。
これから普通貨物車を所有する方が、賢く効率的なカーライフを送れるよう応援しています！
