2025年1月30日、スズキから待望の5ドアジムニー「ジムニー・ノマド」が発表されました。
これにより、ジムニーのラインナップは軽自動車の「ジムニー」、1.5Lエンジンを搭載した3ドアの「ジムニー・シエラ」、そして新型5ドアの「ジムニー・ノマド」の3車種となります。
それぞれのモデルには明確な個性があり、用途や使用環境によって最適な選択肢が変わってきます。

今回は、これら3車種の違いを徹底的に比較。
維持費から実用性まで、購入を検討されている方々の判断材料となる情報をお届けしたいと思います。
💡 比較のポイント
①価格と維持費の違い
②パワーユニットと走行性能
③室内空間と使い勝手
④オフロード性能
⑤おすすめの使用シーン
まずは、各モデルの基本情報から見ていきましょう。
ノマドの価格はいくら?
以下、2025年1月現在でのAT車の価格を比較してみました。いずれも、最上位グレードで比較しています。
ノマドは、ジムニー比で約75万円アップ、シエラ比で57万円アップとなるようです。
モデル | グレード | 価格 |
---|---|---|
ジムニー | XC | 200.2万円~ |
シエラ | JC | 218.4万円~ |
ノマド | FC | 275.0万円~ |



発表時点においては、ノマドのグレードはFCのみのようですね。
基本スペック
ノマドは、シエラに対して全長が+340mm、ホイールベース+340mm、車両重量+100kg
項目 | ジムニー XC | シエラ JC | ノマド FC |
---|---|---|---|
エンジン | 660cc直3ターボ | 1.5L直4自然吸気 | 1.5L直4自然吸気 |
最高出力 | 64PS/6,000rpm | 102PS/6,000rpm | 102PS/6,000rpm |
最大トルク | 96Nm/3,500rpm | 130Nm/4,000rpm | 130Nm/4,000rpm |
全長 | 3,395mm | 3,550mm | 3,890mm |
全幅 | 1,475mm | 1,645mm | 1,645mm |
全高 | 1,725mm | 1,730mm | 1,725mm |
ホイールベース | 2,250mm | 2,250mm | 2,590mm |
車両重量 | 1,050kg | 1,090kg | 1,190kg |
タイヤサイズ | 175/80R16 | 195/80R15 | 195/80R15 |
WLTCモード燃費性能(AT車)
ノマドの燃費性能は、シエラに対して約1km/Lほど悪化する
モード | ジムニー | シエラ | ノマド |
---|---|---|---|
市街地 | 12.4km/L | 12.5km/L | 11.6km/L |
郊外 | 15.1km/L | 15.0km/L | 14.1km/L |
高速道路 | 14.8km/L | 14.8km/L | 14.3km/L |
総合 | 14.3km/L | 14.3km/L | 13.6km/L |
年間維持費試算(年間1万km走行時)
項目 | ジムニー | シエラ | ノマド |
---|---|---|---|
燃料費 | 約13.7万円 | 約13.6万円 | 約14.7万円 |
車検費用 | 約8万円 | 約12万円 | 約12万円 |
軽自動車税・自動車税 | 1.08万円 | 約3.05万円 | 約3.05万円 |
保険料 | 約3.5万円 | 約5.5万円 | 約5.8万円 |
合計 | 約26.3万円 | 約34.2万円 | 約35.6万円 |



維持費は、軽自動車のジムニーに軍配ですね。
ただ、シエラとノマドはそれほど大きな差は出ないようです。
オフロード性能比較
オフロードでの走破性能を左右する重要な要素として、「3アングル」と呼ばれる対障害角度があります。これらの数値が大きいほど、より急峻な障害物を乗り越えることが可能となります。
性能指標 | ジムニー | シエラ | ノマド |
---|---|---|---|
最低地上高 | 205mm | 210mm | 210mm |
アプローチアングル | 41度 | 36度 | 36度 |
ランプブレークオーバーアングル | 28度 | 28度 | 25度 |
デパーチャーアングル | 48度 | 47度 | 47度 |
最小回転半径 | 4.8m | 4.9m | 5.7m |



ノマドも全長が長くなりましたが、シエラと遜色ないオフロード性能を発揮しているようですね。
3アングルの重要性
これら3つの角度は、オフロードでの走破性能を示す重要な指標となります。
シエラとノマドは210mmの最低地上高を確保し、悪路走破性の基本性能を高いレベルで維持。
特にシエラは3ドアならではの機動力と、パワフルなエンジンを組み合わせることで、本格的なオフロード走行に対応します。
一方、ノマドは5ドア化による若干の性能低下はあるものの、実用性と走破性を高次元でバランスさせた設計となっています。
アプローチアングル
- 前方の障害物に対する接近角度
- 大きいほど急な斜面や岩場への進入が可能
- ノマドは5ドア化しながらも、シエラと同様実用上十分な角度を確保
ランプブレークオーバーアングル
- 車体中央部の障害物回避能力を示す
- ホイールベース延長により、ノマドは若干低下
- 一般的なオフロード走行では問題のないレベルを維持
デパーチャーアングル
- 後方からの脱出角度を表す
- 3車種とも47度以上を確保
- リヤオーバーハングを最小限に抑えた設計
ジムニー・シエラ・ノマド 各モデルの特徴とユースケース
- ジムニー
→軽量コンパクトを活かした高い機動力 - シエラ
→パワフルなエンジンと優れた走破性のバランス - ノマド
→実用性と走破性を両立、ファミリーユースに最適
各モデルの特徴と推奨ユースケース
ジムニーXC
長所:
- 維持費の安さ
- 取り回しの良さ
- 駐車のしやすさ
- 軽自動車の税制メリット
推奨用途:
- 日常の街乗り
- 週末の軽オフロード
- 通勤・通学
- 狭小駐車場での使用
シエラJC
長所:
- 十分なパワー
- コストパフォーマンス
- オフロード性能
- 3ドアの機動性
推奨用途:
- 本格的オフロード
- アウトドアスポーツ
- 2人での長距離移動
- 趣味車としての使用
ノマドFC
長所:
- 広い室内空間(室内長:1,910mm)
- 優れた積載性
- 5ドアボディの利便性
- ロングホイールベースによる安定性
推奨用途:
- 家族でのレジャー
- 長距離ドライブ
- 大型荷物の運搬
- 日常的な実用車
購入判断のポイント
予算
- 本体価格:3車種で約75万円の価格差
- 維持費:年間約9万円の差
→ 長期保有を考慮した総所有コストの検討が重要
使用環境
- 都市部:ジムニー(回転半径4.8m)
- 郊外:シエラ/ノマド
- 狭小駐車場:ジムニー
- 標準駐車場:全モデル対応可
使用人数
- 1〜2名中心:ジムニー/シエラ
- 3〜4名での使用機会が多い:ノマド
- 後部座席の使用頻度で選択
使用目的
- 通勤・街乗り:ジムニー
- オフロード:シエラ
- 多用途:ノマド
予算・使用環境・使用人数・使用目的の4つで整理してみましたが、いかがでしたか?
ジムニーシリーズを購入検討の方は、是非これらの観点を参考にしてみてください。



なお、ノマドは2023年のインドでの発売時から日本国内でも待望されたモデルのため、ジムニーやシエラと同様に納期が長期化する可能性もあるでしょう。2025年4月3日に発売とのことなので、購入を検討される際は、販売店で最新の情報をご確認ください。
本記事は、以下スズキ株式会社のホームページ情報を参考にしております。
・スズキ、小型四輪駆動車 新型「ジムニー ノマド」を発売(2025/01/30)
・ジムニー
・ジムニーノマド/ジムニーシエラ